- 正式名称はクドア・セプテンプンクタータ(Kudoa septempunctata)
- ヒラメに寄生するクドア属の寄生虫(粘液胞子虫)の一種
- -80℃で2時間以上の冷凍もしくは-20℃で4時間以上の冷凍もしくは中心温度75℃で5分以上の加熱により病原性が失われる
- ヒラメを食べて2~20時間で、下痢、嘔吐、腹痛が認められる
- 発症後24時間以内に回復し、後遺症もない
- 抗生剤の投与は必要ない
- 人から人への感染はない
2019年5月30日に厚生労働省から”寄生虫のクドアによる食中毒が継続して発生している韓国産ヒラメなどを対象とする輸入鮮魚介類の検査を全国の検疫所で強化するため、本日、「平成31年度輸入食品等モニタリング計画」を改正した“ことが発表された。
平成31年度輸入食品等モニタリング計画の改正について
目次
クドアってなに?
正式名称はクドア・セプテンプンクタータ(Kudoa septempunctata)です。以下、略してクドアと呼びます。
クドアはヒラメに寄生するクドア属の寄生虫(粘液胞子虫)の一種です。
潜伏期間と症状は?
食後2~20時間程度で、下痢、腹痛、おう吐等の消化器症状が認められます。発症後24時間以内に回復し、後遺症もありません。
ヒトからヒトへの感染は認められていないので、症状があるからと言って隔離する必要はありません。
どうやったら防げるの?
クドアは-80℃で2時間以上の冷凍もしくは-20℃で4時間以上の冷凍もしくは中心温度75℃で5分以上の加熱をすれば病原性が失われるのですが、刺し身やお寿司で食べようとする際、冷凍は味が落ちますし、5分も加熱したら刺し身ではありません。そのため、クドアを持っていないかの検査が重要になってくるのです。
どれくらいの患者さんがいるの?
西暦 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 |
患者数(人) | 473 | 418 | 244 | 429 | 169 | 259 | 126 | 155 |
毎年、そこそこの人数がいるようですね。
内閣府の食品安全委員会から”2013年及び2014年の64件の食中毒事例の原因となったヒラメの産地等について、自治体による遡り調査が行われた結果、輸入養殖ヒラメが44件、国内産天然ヒラメが10件、国内産養殖ヒラメが1件、非公表が2件及び産地不明が7件であった。”と発表されています。
2015年以降の産地に関しては、韓国産が原因であった場合だけ厚生労働省医薬・生活衛生局食品監視安全課から人数が発表されています。2015年62人、2016年113人、2017年47人、2018年82人ということのようです。各年、それぞれ全患者のうち占める割合を計算すると、2015年36.6%、2016年43.3%、2017年37.3%、2018年52.9%ということになります。
直近の2018年でいうと、クドアによる食中毒の原因の半分が韓国産というわけですから、検査を厳しくすることもやむなしといったところでしょうか。
法律ではどうなってるの?
食品衛生法第6条で、ヒラメの筋肉1グラムあたりのクドアの胞子数を1.0×10の6乗個以下とすることが定められています。
関連サイト
東京都保健福祉局:食品衛生の窓(クドア・セプテンプンクタータ)